2足歩行ロボット KHR-1

2足歩行ロボットの先駆けと言えば、近藤科学から発売された「KHR-1」です。

当時、ロボットビルダーによって日々進化していた2足歩行ロボットですが、ロボット製作初心者の方にはなかなかハードルが高かったです。

私は基板製作、ソフトウェア開発は仕事でもやっていたので、自作でチャレンジしようかと思いましたが、失敗した時の金額的なリスクが大きくて二の足を踏んでいました。

そんな時に登場したのが2足歩行ロボットキット「KHR-1」でした。

主にラジコンを販売している近藤科学さんから発売されたものです。通常、ラジコン1台につきステアリング用としてサーボモータを1個だけ使用するのですが、2足歩行ロボットでは、20個前後のサーボモータを使用するので、めちゃくちゃ儲かったのではないでしょうか?

ホビーロボット業界の中では代表的なロボットで、組み立ても初心者でもできますし、歩行動作も非常に安定しているロボットでした。

私も2足歩行ロボットに参加するようになったのは、この「KHR-1」のおかげでした。

 

ロボットが2足歩行できるようになるのは10年後くらいかな?と言われていたと思っていたら、あれよあれよと進化していき、あっという間にロボットが「なわとび」をするようになった時はびっくりしました。

今ではロボットを宇宙空間に飛ばして、そこで対決させようという企画まであるのですから驚きです!

不可能と言われていても、誰かが成功すると、誰でもどんどんできるようになっていくんですね。スポーツでも誰かが記録を破ると他の人もその記録を超えられるようになっていくのを見かけますよね?この辺は人間の凄さというか不思議なところだと思います。

「できると思った人だけができる」

これは、ある有名な2足歩行ロボットビルダーの方の言葉ですが、私の心の中に凄く今でも響いています。

ガンダムのような世界が来るのは意外に早いのかも!?

4軸ロボット

20年程前から二足歩行ロボットブームが起き始めました。企業が製作したロボットとしては「ASIMO」が有名ですね。

実はホビーの世界でも二足歩行ロボットが作られていたんです。企業が作るロボットとホビー界で作られるロボットでは製作に必要な資金は全然違いますが、二足で歩くロボットという意味ではむしろホビーロボットの方が高性能なんではないか?と思われるほど良くできているんですよね。

機械、電気、ソフトの一流メーカーに所属する社員の方から学生まで様々な方が趣味で二足歩行ロボットの製作にチャレンジしていました。

その中の一人として私も参加していました。

趣味で作るロボットとはいえ、結構お金がかかります。

ロボットは人の関節にあたる部分に1つずつ「サーボモータ」というものを使いますが、これが結構高いんですよね。しっかりしたロボットを作ろうとするとサーボモータ1個あたり5,000~10,000ほどかかります。そして、人間の形に見立てて組み立てようとすると20個くらい必要になるんです。

そもそもサーボモータはラジコンのステアリングによく使用されていたもので、ラジコン1台につき、1個使用されるようなものなのですが、それを一気に20個も使用するのですから、そりゃお金がかかります(笑)

 

初めて二足歩行ロボットにチャレンジする方は「4軸ロボット」がオススメです。二足歩行に焦点をあてれば、上半身は必要ありません。左右の股関節、左右の足首で1個ずつサーボモータを使用することで4軸の二足歩行ロボットができます。

二足歩行の定義は必ず片方の足が浮いている必要があります。昔からすり足のロボットなんかはありましたが、この足を浮かせるというのが非常に難しんですよね。

4軸ロボットは、動き方は人間らしい動きとはいきませんが、サーボモータの制御を含め二足歩行ロボットの楽しさ難しさを味わうには調度良いロボットです。

ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

ライントレーサ

ライントレーサとは,平面上に描かれた線上を自動で追尾して移動する車輪駆動ロボットです。平面は白い色,線は黒い色。線幅は18mm程度です。2個のモータを左右に持ち,その回転数をコントロールして,進む方向を制御して移動させるロボットです。

一見、線に沿って移動するだけのロボットであるが、いざ製作するとさまざまな知識や技術が要求されます。入門編でよく使用され、ロボットの楽しさを体感するには持って来いのロボットですね。

ライントレーサ制御のアイディア

CDSセンサ(光センサ)を車体の下に2つ付けることにより,どれぐらい黒線に近いかを検出することができる。センサの出力電圧をADコンバータ内蔵のマイコンに入力することで黒線の有無を知ることができます。

そして次にプログラムで2個のモータに与える指示値を算出する。左車輪のモータへの指示値が大きければ車体は右に曲がる。

2個のモータの指示値はPWM信号で行う。マイコン内蔵にはPWMユニットがあるのでそれを使用する。

ライントレーサ製作例
CDSセンサCdSとは硫化カドミウムの事であり、これは可視光線で最も感度の良い光伝導体である。光制御における可変抵抗であり,光があたると抵抗が小さくなる。

PWM信号

PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)と呼ばれる信号で,モータなどの制御に使われます。スイッチのON、OFFを繰り返した時のスイッチのON時間の長さを変えることによって電圧を制御する方法です。例えば0.9msONにして0.1msOFFにするとか,0.2msONにして0.8msOFFにすることが可能である。それにより、電圧を90%にしたり20%したりと、可変することができます。

CDSは周囲の明るさの影響を受けるので,遮光をつけて,自然光の影響をなるべくなくして使う。光源にはLED光源を使用します。

オペアンプ

CDSを使うにはオペアンプが必要です。オペアンプは電圧を増幅する働きを持ち、CDSから出力される微小電圧をオペアンプで増幅して使用します。抵抗値の選択で2倍、5倍、10倍といった増幅値を決めることができます。

ADコンバータ

ADコンバータは,入力電圧をコンピュータが認識できる数値に変換する素子です。ほとんどのマイコンにはADコンバータが内蔵されていて、電子工作でよく利用されるH8/3664にも内蔵されています。0Vから5Vまでの入力が,0から65535までの数値に変換されます。

CDS光センサは初心者には使いやすけど,光の強さに対する応答が遅いです。スキルアップして応答が早い素子を使用する場合はフォトトランジスタが良いでしょう。

パワーMOSFET

モータを駆動させる為には電流増幅が必要ですが、電流増幅にはこのパワーMOSFETを使用します。パワーMOSFETは3本足で構成され、「ドレイン」「ゲート」「ソース」と呼ばれている。この素子はゲート-ドレイン間にかかる電圧で制御されるスイッチとして機能し,ソースに対してゲート電圧が約3V以上になるとON,0VではOFFになる。

H8/3664

H8/3664はロボット製作でよく使用されるマイコンです。ルネサス系のH8シリーズの中で一番安価のマイコンです。フラッシュメモリがある為、ROMが不要です。
H8/3664は安価なマイコンですが、ADコンバータ、PWM、タイマー割り込み、シリアル通信といった機能が内蔵されているので非常に扱いやすいマイコンです。

プログラムにはC言語を使用し、クロスCコンパイラでコンパイルします。書き込みはシリアル通信で行い、フラッシュメモリに書き込みます。フラッシュメモリは不揮発性なので、一度書き込めば、電源をOFFにしても記憶されます。

テストプログラムからスタートし、動作を確認しながら進めるのがコツですね。

  • LEDの点滅動作
  • LEDの点滅時間の調整
  • シリアル出力の方法(デバッグで活用できます)
  • コマンド通信
  • タイマ割り込み
  • PWM動作

と順を追って進めていくのがいいでしょう。

プログラム次第で自分の作ったロボットの動きが目まぐるしく変わります。

ぜひロボット制御の楽しさを味わってください。

マイクロマウスとの出会い

マイクロマウスというロボットをご存じでしょうか?

16×16区画の迷路を自動で探索してゴールを目指す自立型のロボットです。ロボット自身が自分で判断しながら迷路を解析するという非常に高度なロボットです。

これはさらに迷路をロボット自身が解析した後に、スタートからゴールまで走らせてそのタイムを競うという競技に発展しました。

公益財団法人ニューテクノロジー振興財団が主催している「全日本マイクロマウス大会」です。

1980年に第一回大会が開催されたので、かれこれ30年以上の歴史があるロボットです。

 

確かに迷路を解析するロボットを作るというのは非常に難しいのですが、迷路を解くだけであれば小学校低学年の子供でもできることなので、まあその程度のロボットかと思ってしまいがちです。

でも、一度マイクロマウスの大会動画を見てください。

スタートからゴールまで一気に駆け巡るマイクロマウスのスピードに度肝を抜かれます!

 

何だこのロボットは!?

初めてマイクロマウスの動画を見た私はものすごい衝撃を受けました。

 

自分もこんなロボットを作ってみたい。そんな衝動にかられますが、何から手を付けていいかわかりません。

そんな時に「マイクロマウス工房」というホームページを見つけました。

 

第四回大会から参加されている森永英一郎さんという常連の方が運営されているホームページですが、初めての方でもお金をあまりかけずに、そして入手し易い部品で作る方法が公開されていました。

 

当時大学生で電気科に所属はしていたものの、座学ばかりで実践的な電子回路を作った事がなかった私は無我夢中になって真似しながら製作しました。

 

ロボットは機構設計、電子回路、プログラミングの集大成です。

 

秋葉原に何度も通いながら部品を集めて製作したのが懐かしいですね。

今なら地方に住んでいる学生なんかでも、ネットで部品が購入できる時代なのでどんどんチャレンジしてみて欲しいです。

 

マイクロマウス工房のページでは、迷路の作り方も掲載されていたので、迷路も製作しました。

最終的に大会に出るまでには至りませんでしたが、自作の迷路(3×3区画)で動作させることができた感動は今でも忘れません。

 

今はプログラマーを目指す若者が多いかと思いますが、一度はロボットのように機械、電気、ソフトの全ての知識が必要なものを製作してみて欲しいなと思います。

きっといつか絶対に役にたつことでしょう。